1.
キュレータートーク
2021年
日本語 3’41”
View Now
*HD配信ですので、安定した視聴環境でご覧ください。
法による統治、近代がもたらした生政治的な管理体制は、この特権を国家や企業に委ね、個人の命や身体が世俗的で不安定な市場によって左右される構造を生み出しました。一方で、近代という制度もある特定の歴史と価値体系によって生み出されたゆえに、それとは異なる宗教や文化に対して十分な考慮がなされてきたたとは言えません。このジャーニーでは、こうした状況のなか置き去りになったある感情の摂理に光を当てます。
芸術、政治、宗教を縦断し、密教呪術の実践と思想に裏付けられた前衛的活動を展開した呪殺祈祷僧団(1970年~不明)は、公害がもたらした死者による精神的・肉体的な復讐を目指して立ち上がり、急速な変化の途上にある戦後社会において、道徳的、感情的不公正の状況を暴きました。それはまた、近代の司法制度では不能犯と見做され訴追ができない「呪殺」という方法で挑んだ、産業家に対する敵討だったと言えます。こうした活動は、9世紀以降に真言宗がたどった軌跡と、鎮護国家の名の下で呪術が体制側に用いられた歴史に批判的な立場から生まれ、困窮者の手に宗教の力を戻すことを目的としていました。
満州の死... それは戦後アジア誕生の基盤である | ロイス・アン
「死の工場」として語り継がれてきた731部隊。日本軍の人体実験でしられる細菌兵器の開発が、東洋哲学と結びつき、新冷戦とパンデミックの世相に溶け合う。内臓を抉るサウンドと目に焼きつく閃光の中、技術、国家、身体をめぐりるフィクション理論のアートフィルム。