
1.
ジョシュア・オコン
《下(アンダー)》
2018年
彫刻 音声なし 3’21”
2021年
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東京23区の面積約10分の1、およそ6,000ヘクタールの港湾部エリアは、埋立地です。家庭でのごみの分別やエコロジカルな処理技術の開発がうたわれる一方で、問題の根本である商品の過剰生産それ自体を抑制していこうとする動きは十分に検討されてきたとは言えません。同時に埋立地では、公共インフラをはじめコンテナターミナル、コンベンションセンターやモールなど、人々を消費に駆り立てる巨大施設が建設されていきました。
ジュエリー広告を思わせる、エレガントな映像手法で描き出されるのはジョシュア・オコンによる彫刻《下(アンダー》。彫刻は、長い年月をかけて結晶した天然鉱石のようでありながら、実はごみや焼却灰を溶かし、急激に冷やして砂状にした溶融スラグで作られたものです。ゆっくりと回転するこの人工の「鉱石」は、金属の混入物によってときにガラスのように鋭く光を反射します。視覚と情報、表層と実体の辛辣な関係性のはざまで、この作品は、ただ見ることを要求しているのです。
「満州の死... それは戦後アジア誕生の基盤である」| ロイス・アン
「死の工場」として語り継がれてきた731部隊。日本軍の人体実験でしられる細菌兵器の開発が、東洋哲学と結びつき、新冷戦とパンデミックの世相に溶け合う。内臓を抉るサウンドと目に焼きつく閃光の中、技術、国家、身体をめぐりるフィクション理論のアートフィルム