「家鳴(やなり)」は、目に見えない存在の残響を手がかりに、映像メディア、展覧会、そして地政学のもつれ合いを探る二日間のシンポジウムです。現代アートをかたちづくる言説の流通やその仕組みを問い直すキュラトリアル(注1)な視点のもと、アーティスト、キュレーター、美術史家が一堂に会し、言説の断絶や歴史の残滓を掬い上げる議論に取り組みます。映像作品の上映、パフォーマティヴな講演、学術的なパネルディスカッションを通じて、東アジアに焦点をあてたスクリーンプラクティス、展覧会史や地政学的な想像力における物質的・情動的な不安定さに対し、キュラトリアルな実践がいかに応答しうるのかを考察していきます。
満州の死... それは戦後アジア誕生の基盤である | ロイス・アン
「死の工場」として語り継がれてきた731部隊。日本軍の人体実験でしられる細菌兵器の開発が、東洋哲学と結びつき、新冷戦とパンデミックの世相に溶け合う。内臓を抉るサウンドと目に焼きつく閃光の中、技術、国家、身体をめぐりるフィクション理論のアートフィルム。
下(アンダー) | ジョシュア・オコン
シャープで眩い宝石のような彫刻から、大自然や野生生物の生態を描くネイチャードキュメンタリーの手法で毒々しいまでの緑を描き出す映像など、廃棄物で作られた埋立地の実態を、独特のユーモアで鋭く暴き出します。
呪いのマントラ | 呪殺祈祷僧団 (羽永光利)
四大公害病がおおきな社会問題となっていた70年代、僧侶を中心とした8人が、抗争地を巡り護摩祈祷の火を焚き、自然界に汚染物を垂れ流していた企業主を呪い殺す調伏の儀式を行う全国行脚に出ました。脱人間中心主義の過激な環境テロ。
テクノロジーとしてのアート:加速する東洋 #1
どのように複雑なアイデアもその実践は現実にあり、生活空間と不可分に結びついています。「テクノロジー(知の実装化)」の語源に立ち返り、仮想空間に招かれた論者が生活の変化を促して語りかけるオンラインコロキアムです。