Rattling A House: Curatorial Symposium on Media, Spiritual and Geopolitical Worldmaking

家鳴 | YANARI | 야나리

한국어 | 繁中 | EN | 日本語
プレスリリース
小論考集PDFダウンロード(5月下旬公開)
チケット購入

「家鳴(やなり)」は、目に見えない存在の残響を手がかりに、映像メディア、展覧会、そして地政学のもつれ合いを探る二日間のシンポジウムです。現代アートをかたちづくる言説の流通やその仕組みを問い直すキュラトリアル(注1)な視点のもと、アーティスト、キュレーター、美術史家が一堂に会し、言説の断絶や歴史の残滓を掬い上げる議論に取り組みます。映像作品の上映、パフォーマティヴな講演、学術的なパネルディスカッションを通じて、東アジアに焦点をあてたスクリーンプラクティス、展覧会史や地政学的な想像力における物質的・情動的な不安定さに対し、キュラトリアルな実践がいかに応答しうるのかを考察していきます。

SMB 13 Identity, 2025. Design nonplace studio. Courtesy of the Seoul Museum of Art.

DAY 1: 2025年5月31日(土) 13:00〜18:00 [開場 12:30/閉場 18:00]
セッション1: 霊魂のテクノロジー

セッション1は、第13回ソウル・メディアシティ・ビエンナーレ芸術監督による講演と上映会に始まります。「交霊会(séance)としての展覧会」と呼ぶ試みでは、通常の知覚を超えた認識領域との交信を試みてきた人類の長い歴史に着目し、それがアート制作の言語と方法をいかに変容したかを概観します。こうした霊魂の代替的なテクノロジーの隆盛は、社会的・政治的な変革期と相関しており、その時代に付随する不安や疎外感などへの反応として解釈できるでしょう。その後、日本側の批評家による応答に続き、ビエンナーレと恵比寿映像祭関係者による対話が行われ、制度と企画のはざまに揺れるそれぞれの歴史と課題が共有されます。

登壇者:アントン・ヴィドクル、ルーカス・ブラシスキス、ヘイリー・エアーズ、沢山遼、權辰(クォン・ジン)、田坂博子、馬定延(マ・ジョンヨン)[進行] /上映作家:アントン・ヴィドクル、ジェーン・ジン・カイスン、マヤ・デレン、シャナ・モールトン

DAY 1 チケット購入はこちら

"Abstract Art Exhibition: Japan and U.S.A.," Bokubi, no. 45, 1955 Photo by Yasuhiro Ishimoto

DAY 2: 2025年6月1日(日) 13:00〜17:00 [開場 12:30/閉場 17:30]
セッション2: 「自由世界」の幻想

パフォーマティヴな講演と学術的考察を交差させながら、本セッションでは、20世紀半ばの東アジアにおいて、文化的かつ美的な文脈の形成がイデオロギーの断層線上にいかにして形成されてきたかに目を向けます。戦中から冷戦への移行期における児童書、知識層向け雑誌、外交資料や写真作品など、争点となるアーカイヴを再訪し、ドキュメンテーション、プロパガンダ、歴史の忘却といった互いに境界が浸透しあう領域を、異なるケーススタディーから検証していきます。「自由主義陣営」の幻影は、いまなお芸術界をさまよい、香港、台湾、韓国、日本といった国々の芸術実践や解釈の枠組みに影響を与え続けているのです。

登壇者:李繼忠(リ・カイチュン)、 金炫辰(キム・ヒュンジン)、郭昭蘭(ゴ・ジャウラン)、藤井光、飯岡陸 [進行]

DAY 2(セッション2+3通し) チケット購入はこちら

Osaka Expo'70, April 1970. [3CC BY-SA 2.0]

セッション3: 博覧会のレガシー

最終セッションでは、アジア地域の展覧会史における分水嶺として、1970年大阪万博を取り上げます。先進テクノロジーへの楽観主義を掲げた万博は、同時に近代性に相反するヴィジョンや、変化する政治的連携の現状を明るみにしました。アート、建築、デザイン、文学、科学技術の前衛的な実践者と体制側が協働し、大衆の願望と国家の課題を体現しながら、新たな展示形態が沸きおこる実験場となったのです。大阪万博が国外のアーティスト、知識人、キュレーターの習慣に与えた影響を探り、今日の「グローバル」な展覧会制度をかたちづくることとなった契機、国境を越えた交流や言説の転換について論じます。

登壇者:デビッド・テ、グレース・サンボー、キャスリーン・ディッツィ、苏佳敏(ソ・ケイミン)、池田佳穂 / 大坂紘一郎 [進行]

DAY 2(セッション2+3通し) チケット購入はこちら

Yanari from the Gazu Hyakki Yakō, c.1781

PDF小論集公開のお知らせ

本シンポジウムの開催にあわせて、パトリック・D・フローレス、ゲシヤダ・シレガル、サイモン・スーンによる批評テキストの翻訳を収めた、​​キュラトリアル実践に関する小論集『公共なき実践:間-地域のキュラトリアル私研究に向けて』(飯岡陸・池田佳穂・大坂紘一郎 共編)が無料のPDF資料として0-eAのウェブサイトにて公開されます。

家の構造体がわけもなく音を立てる怪奇現象を指す「家鳴」というタイトルは、目に見えない力が居住空間を脅やかし、物理的なインフラストラクチャーだけでなく、その内に刻まれた心理的・政治的秩序までもを攪拌する状況を示しています。本シンポジウムは、古い体制の軋みを聞きながら、世界を揺るがし続ける亀裂のなかに身を置かざるをえない現在の居場所について問いかけています。

キュラトリアルシンポジウム「家鳴」は、アーツカウンシル東京、韓国文化芸術委員会の助成、ならびに国立アートリサーチセンターの特別協力を受け、ソウル市立美術館(DAY1)との企画連携と研究プロジェクト「Tempreture of Roses」(DAY2の一部)との協調のもと、一般社団法人0-eAが企画・主催しています。

注1:アートの実践が見る人に関わる仕組み、ことばの流通や意味付けのあり方をめぐる政治性を問い直し、キュレーションという行為に伴う力学を批判的に読み解こうとする学際的な領域。

Buy Ticket Join 0-eA


キュラトリアルシンポジウム

『家鳴 | YANARI | 야나리』

2025年5月31日(土) 13:00〜18:00 [開場12:30]

6月1日(日) 13:00〜17:00 [開場12:30]

会場:東京都写真美術館 1階ホール


主催:一般社団法人0-eA

企画連携:ソウル市立美術館

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成]、韓国文化芸術委員会 [Arts Council Korea/ARKO]

協賛:株式会社 思文閣、ログズ株式会社

協力:独立行政法人 国立美術館国立アートリサーチセンター [NCAR]、東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻

広報デザイン:鈴木哲生

事務局:三木茜、見目はる香

Special Thanks:飯岡陸、山形一生


定員:120名

言語:英語および日本語(同時通訳つき)

参加料:一般 1,200円/学生 600円

※5月31日(土)[DAY1]、6月1日(日)[DAY2] 両日参加ご希望の方は、それぞれチケットをお買い求めください。

※入場チケットは当日会場でも若干数販売予定ですが、Peatixでレシーバー付きチケットが完売した場合、当日はレシーバーなしチケットのみの販売となります。

申込方法(Peatix):https://yanari.peatix.com/

(事前予約制・先着順)


満州の死... それは戦後アジア誕生の基盤である | ロイス・アン

「死の工場」として語り継がれてきた731部隊。日本軍の人体実験でしられる細菌兵器の開発が、東洋哲学と結びつき、新冷戦とパンデミックの世相に溶け合う。内臓を抉るサウンドと目に焼きつく閃光の中、技術、国家、身体をめぐりるフィクション理論のアートフィルム。

下(アンダー) | ジョシュア・オコン

シャープで眩い宝石のような彫刻から、大自然や野生生物の生態を描くネイチャードキュメンタリーの手法で毒々しいまでの緑を描き出す映像など、廃棄物で作られた埋立地の実態を、独特のユーモアで鋭く暴き出します。

呪いのマントラ | 呪殺祈祷僧団 (羽永光利)

四大公害病がおおきな社会問題となっていた70年代、僧侶を中心とした8人が、抗争地を巡り護摩祈祷の火を焚き、自然界に汚染物を垂れ流していた企業主を呪い殺す調伏の儀式を行う全国行脚に出ました。脱人間中心主義の過激な環境テロ。

テクノロジーとしてのアート:加速する東洋 #1

どのように複雑なアイデアもその実践は現実にあり、生活空間と不可分に結びついています。「テクノロジー(知の実装化)」の語源に立ち返り、仮想空間に招かれた論者が生活の変化を促して語りかけるオンラインコロキアムです。

Return to Top